nishio-dens's diary

Railsとかプログラミング関連の備忘録

Amazon EC2の使い方 はじめに

近年クラウドコンピューティングが注目されています.クラウドを利用する利点は様々ですが,一番はコンピュータの性能をすぐに変更できる点(つまり,スケーラブルなシステムである事)にあるでしょう.

例えば,あなたが新しいサービスを立ち上げたとしましょう.利用者は1日500人程度でした.しかし,突如インターネット上で話題に上り,利用者が10万人に増えることもあります.近年では,利用者が1日で急激に増加することも珍しくありません.

その際,いままで運用していたサーバでは性能が足りない為に,急遽サーバを増強しなければなりません.しかし,サーバの増強はそう簡単にできるものではありません.サーバを手配し,配置し,設定を行う.最低でも1週間,もしかしたら1ヶ月以上かかってしまうことも場合によっては考えられます.

そうこうしている間にサービスに繋げられないユーザの不満が爆発し,再び利用者が激減してしまうなどの問題が起きてしまうかもしれません.せっかくの利用者増加の機会を逃してしまう,もったいないですよね.

逆のパターンも考えられるかもしれません.利用者100万人のサービスになる可能性がある,そう思い高価なサーバを大量に投入し,サービスを開始したとします.

しかし,思いの他利用者が伸びず,サーバの稼働率は5%位になってしまいました.投資したコストが回収できず赤字がでてしまう,ありうる話です.

このような問題を解決する方法がクラウド(正確には仮想化技術)です.仮想化技術を使うことで,利用するコンピュータの性能を自由自在に変更することができる,しかもこの変更作業はAmazon EC2では5分程度で可能なのです.

新しいサービスを立ち上げた際には,最低スペックの性能で運用を行い,利用者が増えてサーバのレスポンスが遅くなってきたら性能を上げる,なんていう使い方もできるわけです.

Amazonはいち早くクラウドコンピューティング事業に参入し, IaaS環境(コンピュータを構築する基盤だけ)を提供してくれるAmazon EC2や,巨大なストレージであるAmazon S3を提供しています.今回は,このAmazon EC2の基本的な使い方,及びAmazon S3にEC2のバックアップを取る方法について解説していきます.

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